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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子どもの予防接種 麻疹・風疹(MR)ワクチン その③

恐い先天性風疹症候群

風疹(ふうしん)そのものの症状は軽く、微熱、発疹、リンパ腺の腫れなどがみられますが、昔から「3日ばしか」といわれるように、ほとんどが数日程度で治癒します。

しかし妊婦が風疹にかかると、胎児に障害をきたすことが以前からよく知られています。妊娠中のウイルス感染症のうち、胎児の催奇形性という点で最も恐れられているのが風疹です。妊娠初期に母親が風疹にかかった場合、胎児にいろいろな先天異常を引き起こします。

その頻度は、妊娠1ヶ月で風疹に罹患した場合50%、2ヶ月で35%、3ヶ月で18%、4ヶ月で8%というように非常に高率です。主な異常は、白内障、網膜症などの眼の障害、心奇形、難聴などです。これらは複合して出現することもあり、難聴あるいは視力障害という一見分かりにくい単一の症状として現れることもあります。
ほかに紫斑、黄疸、小頭症、精神発達遅延など多彩な異常がみられることがあります。

日本では、1964~65年に沖縄で風疹が大流行した際に、約400例の先天性風疹症候群の児が出生して大きな社会問題になりました。ちなみに全国で1965~85年の間に、少なくとも1600人の先天性風疹症候群の子どもが生まれたと推定されています。

また以前から妊娠中の風疹罹患を理由とした人工妊娠中絶が少なくありません。特に風疹の流行があった年は、人工中絶の数が年間3~4万件増加するとされています。最近、妊婦さんが風疹にかかった時に、胎児が影響を受けているかどうかを診断する検査法がいろいろ開発されてきています。
しかし容易に行えるものではなく、実際はどのように対処すべきか、判断に苦慮することが多いようです。

先天性風疹症候群に対する治療法はありません。なによりもワクチンを接種しておいて、風疹にかからないようにしておくことが最も重要です。乳児期に接種したワクチンによる風疹の抗体価が年長児で低下していることが問題となっています。

中学1年生と高校3年生のワクチンの接種(H24年度まで)を必ず行ってください。
また先天性風疹症候群は、小児における風疹の流行年に集中していることから、1歳と就学前の5~6歳の風疹ワクチンの接種率を上げることによって風疹の流行そのものを抑え、妊婦が風疹ウイルスに暴露されないようにすることが重要です。

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