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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子どもの予防接種 麻疹・風疹(MR)ワクチン その④

・H18年から麻疹と風疹の混合ワクチンに変えられたわけは?
風疹ワクチンの最も重要な役割は、妊婦が風疹にかからないようにして、先天性風疹症候群(CRS)を予防することにあります

風疹ワクチンは、平成7年までは女子中学生だけに接種していましたが、この方法ではCRSを減らすことはできませんでした。そこでH7年から1歳から7歳半までの幼児にも接種するようになりました。その結果、風疹の全国的な流行は抑えられました。

しかしそれまでの強制的な集団接種から原則的に努力義務とされる個別接種に変わったことにより、接種率が上がらない問題が生じました。
H9年、中学生を対象とした風疹ワクチンの接種率は46%に留まっていました。とくに都市部での接種率が悪く、倉敷市ではわずか5%であったようです。幼児期のワクチン接種率も麻疹と比較すると著しく低いものでした。

風疹は麻疹ほど感染力が強くないため、ワクチン接種率が低くてもそれほど大きな流行は起こしません。しかしワクチン接種率が低下すると、風疹の免疫を持たずに成人になってしまう人が増えてしまいます。
さらに最近のように、風疹の流行がないと、自然に抗体を獲得する機会(ブースター効果)も減るので、状況が加速される心配があります。

実際、CRSの報告は、H11年から15年には年間1例程度でしたが、H16年には10例と急増しました。20代から30代の男女500万人以上が風疹の免疫がないと推定されています。

風疹の流行そのものを抑えCRSの発生を防止するために、幼児の風疹ワクチン接種率を麻疹ワクチンと同じくらい高いレベルまで上げることが緊急の課題でした。

そこで麻疹、風疹が同時に接種できる混合ワクチンが遅ればせながらH18年からスタートしたわけです。
それまで風疹の単独ワクチンを使用していたのは世界中で日本だけでした。1歳と就学前(5~6歳)の2回接種となり、さらにH20年から5年間の暫定的な措置ですが、中学1年生と高校3年生にも接種することとなりました。

前に示したように、北見市の昨年のMRワクチンの接種率は、1歳時95・4%、就学前94・6%と良好でした。しかし中1で85・2%、高3で86・7%と十分ではありません。中学、高校での接種率を上げるためには、学校関係者の理解と協力が不可欠となります。

接種率の高い地域は、教職員をはじめとした学校関係者と医療機関、行政の連携が密であることがわかっています。不幸なCRS児をださないために、北見市においても接種率95%以上が得られるよう、より積極的な啓蒙が必要とされています。

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