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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子どもの予防接種 おたふくかぜワクチン② 恐いムンプス難聴

これまであまり注目されていなかったおたふくかぜ(ムンプス)の合併症に難聴があります。ムンプス難聴はムンプスウイルスにより、内耳の有毛細胞などの音を感知する器官が破壊されてしまうことでおこる感音性難聴です

多くの場合は片側だけにおこり、急速に進行して回復できない病変を残します。今のところ有効な治療法はありません。難聴の程度は高度で、聾(ろう)と呼ばれる全く音を感知できないほどの重症の場合がほとんどです。

まれですが両側の難聴となることもあります。片側の難聴では、音源の位置の把握がむずかしく、成人で発症した場合は難聴だけでなく、めまいや耳鳴りで長年苦しんでいる人も少なくありません。

ムンプス難聴は、片側で目立たないので頻度を調べるのが難しく、1~2万人に1人程度のまれなものと長く考えられてきました。しかし最近の調査でもっと高頻度に発生していることがわかってきました。

厚労省の研究班の調査で、2001年にムンプス難聴で耳鼻科を受診した人は全国で650人、この年のおたふくかぜ患者発生数から計算すると、およそ3500人に1人となります。しかしこの調査では幼児の難聴の把握が困難であり、実際には1000人に1人程度はムンプス難聴が発生しているのではないかと考えられています。

おたふくかぜは、小さいお子さんでは軽症のことが多く、軽い病気と思われがちです。しかし年長になってかかるほど症状が強く、合併症の頻度も高くなります。とくにおたふくかぜにはムンプス難聴というとても恐い合併症があることに注意する必要があります。

おたふくかぜに対する根本的な治療はありません。ムンプス難聴を避ける唯一の手段は、ワクチンだけです。ワクチンを接種しておけば、もし仮におたふくかぜにかかったとしても軽症で経過し、恐い合併症を起こすことはありません。年長児でまだおたふくかぜにかかっていない人は、早めにワクチンを接種されることをお勧めします。

おたふくかぜワクチンは任意接種であり、現在の接種率は30~40%です。およそ1年に50~200万人の人がおたふくかぜにかかり、毎年1000人近いムンプス難聴が発生しています。ワクチンの公費による定期接種化の検討が勧められていますが、1日も早い実現が望まれています。

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