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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

不活化ポリオワクチン(IPV)

近年は、野生株ウィルスによるポリオ患者はみられなくなり、数百万回投与に1例程度の頻度で発生する経口生ワクチン(OPV)による副反応である「ワクチン関連麻痺」が社会的に問題視され、マスコミでも大きく取り上げられています。

現在、先進国と言われる国でOPVの定期接種を続けている国は日本だけということもあり、OPVからIPVへの変更が強く待たれていました。海外から日本で承認されていないIPVを個人輸入し有料でも接種を希望する人が多くなる中、神奈川県では県がワクチンを購入し、接種を勧める自治体もでてきました。ようやく今秋から体制が整備され、全国でIPVの接種が始まりました。

①IPVへの歩み

IPV自体は決して新しいワクチンではなく、1950年代に開発されています。我国でも1950年代から試験的に使用された歴史があります。しかしその後OPVの一斉投与による劇的な効果や経口ワクチンであるという簡便性の点からOPVが広く普及し、世界そして我国のポリオを制圧しました。しかし長期にポリオの発生がなく、OPVに比べて高価なIPVの予算確保が可能な先進国では、ワクチン関連麻痺の問題も考慮され、ほとんどすべての国がIPVを用いています。

②ワクチン製剤

IPVもOPVと同様に�鵯・�鵺・�鶚型のポリオウィルスに対応しています。改良が進められ開発当初のワクチンより免疫原性の高いワクチンとなっています。注射製剤のIPVは経口投与のOPVと比較し簡便性の点で劣りますが、従来から定期接種で行っている3種混合ワクチンとの混合ワクチン(4種混合)として使用されるので、接種回数が増えるわけではありません。単独のIPV製剤は日本で製造しておらず、海外からの輸入品となりますが、IPVが加えられた4種混合ワクチンは国内の2社から提供される予定です。

③有効性

ポリオに感染すると麻痺に先んじてウィルス血症が起こりますが、十分な中和抗体が存在すれば麻痺発症を予防することが可能です。IPVを規定回数接種することで、麻痺性ポリオを予防できる血中抗体価の十分な上昇が得られます。

④安全性

IPVは海外で広く用いられており、安全性に問題はありません。接種部位の発赤、硬結などが数%報告されていますが、重篤な副作用は認められていません。4種混合ワクチンでも副作用が増強することはありません。

⑤接種スケジュール

H24年9月からは、3種混合ワクチンが済んでいる児に単独のポリオ不活化ワクチンの接種が、さらに11月からは、ポリオが加わった4種混合ワクチンが始まりました。これは従来の3種混合ワクチンと同様に、生後3ヵ月から3回、1年後に1回の追加接種となります。

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