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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

母乳哺育のポイント

つい最近、米国小児科学会(AAP)が、母乳哺育についてエビデンズスに基づく新しい方針を発表したので、要点を簡単に紹介しましょう。

母乳哺育は、いろいろな疾患の罹患率を減少させることや、新生児死亡を20%以上減少させることが複数の研究から示されていることを報告するとともに、以下のような勧告を行っています。

  1. 両親に対する出産前後の教育は、母乳哺育を成功させる重要な要素となる。
  2. 出産直後から最初の授乳までの間、母親は健康な新生児とスキンシップを図る。最初の授乳が終わるまで身体測定、沐浴、採血、予防的点眼は控える。
  3. 生後6ヶ月間は、水や果汁などを与えない。
  4. 授乳を始めて最初の数週間は、1日8~12回の授乳を行う。乳児が空腹の初期徴候(例えば覚醒と運動の増加)を示したら授乳する。泣き出したときは空腹がかなり進んでいる。授乳の要求が少ない乳児は、出産から数週間は最後の授乳から4時間が経過したら起こして授乳するべきである。
  5. 乳児が生後6ヶ月に達したら、鉄を豊富に含む補助食品(離乳食)の導入を徐々に進める。
  6. 完全母乳哺育児に対し、最初の授乳が完了したら生後6時間以内にビタミンK11mg筋注すべきである。さらに生後2ヶ月以内にビタミンD200IDを経口滴下する(このビタミンKの筋注、ビタミンDの投与は本邦では行っていません)。
  7. 授乳期間の延長は、発達と健康の両面で乳児と母親の双方に有益であり、特に受胎能力の回復が遅延され、適切な出産間隔が維持される。授乳期間の上限はなく、生後3年以上授乳を維持することによる精神的または発達的な悪影響を示すエビデンスは存在しない。
  8. 生後1年未満に離乳させた乳児には、牛乳ではなく鉄を強化した乳児用調合乳(ミルク)を与える。

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