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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子どもの気になる病気その② エンテロウイルスD68型

今、小児科領域でとても気になるウイルスがあります。それがエンテロウイルスD68型 (EV-D68)です。数年前から感冒症状がみられたあとに、子どもの手足が急にマヒ する「急性弛緩性マヒ」の報告が相次いでいます。(2018年5月1日から15歳未満の 急性弛緩性マヒの全数届出が義務付けられました。)

症状はまさしくポリオ(小児マヒ)といってよいもので、発熱あるいは呼吸器症状を 認めてから数日後に突然、手や足に弛緩性マヒ(だらりとしたマヒ)を認めるというもの です。しかもマヒは8割の児に残ってしまいます。この原因がEV-D68ではないかと 疑われています。このウイルスはポリオの原因ウイルスである「ポリオウイルス」の 親戚というべきウイルスであることも大変気になります。

【EV-D68の流行とマヒ】

EV-D68は、1962年に、米国のカリフォルニア州で4例の呼吸器感染の小児から検出 されたのが最初の報告です。その後、世界中で散発的な小流行を繰り返していましたが、 2014年、米国とカナダで大きなアウドブレイクがあり、その際、ポリオのような弛緩性マヒ 例が報告されました。2015年、日本でEV-D68の感染症が多発しました。この年は、 特に喘息発作を起こして受診あるいは入院する子どもたちが全国各地で急増して話題に なりました。

2015年9月から弛緩性マヒをきたす子どもの報告が相次ぎ、その数は285例に上がりました。

EV-D68は便から検出されず、呼吸器からのみ検出され、しかも急性期を過ぎると 検出率は下がります。マヒ例の急性期の呼吸器由来検体が採取されて残されている割合が 低く、すべてにEV-D68との関連が確認できているわけではありませんが、疑いは 濃厚とされています。

EV-D68は、軽症~重症の呼吸器感染を引き起こします。2016年、日本小児アレルギー 学会は、EV-D68は、重症の喘息発作を惹起する重要なウイルスと結論づけています。

EV-D68の関連が疑われる神経症状は、発熱から5~8日後に発症し、弛緩性マヒ、球 マヒ、外転神経マヒ、顔面神経マヒなどが報告されています。病態は、ウイルスの直接浸潤や、感染後の免疫反応などが 考えられていますが、よくわかっていません。有効な治療方法はありません。

日本国内で2010年以降、EV-D68の検出数が数年おきに増加しています。今後、2015年 のような大きな流行が見られるのか不透明ですが、とても不気味なウイルスです。

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