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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子どもの気になる病気その⑧ 百日咳(2)

最近、北見市内でも百日咳に羅患する人が目立っています。北見保健所管内の百日咳発生件数を図に示しました。2018年はわずか3例のみでしたが、2019年は27例報告されています。当院でも7、12、12、15歳の4例を経験しました。

いずれも咳が1~2か月続いていましたが、小児の百日咳特有の咳(連続性の咳発作や吸気時の笛声)は認めていません。LAMP法陽性1例、百日咳ⅠgM抗体高値3例で百日咳と診断、マクロライド系抗生剤で改善しています。4例とも乳幼児期に百日咳含有ワクチンは接種されていました。

百日咳の診断(診断が容易に!)

これまで急性期と回復期のペア血清の抗体価の上昇で診断していました。最近は次に示す、より簡便で早く診断可能、精度の高い検査が開発され、2016年から保険適用となっています。

①遺伝子検査
百日咳菌LAMP法は、鼻腔ぬぐい液を検体としてDNAを増幅させる方法で、感度、特異性の高い検査法で早期診断に有用です。本法を用いた百日咳菌検出試薬キットが開発されており、検査会社へ受託、数日で結果がでます。

発病して4週間以内であれば、百日咳菌に有効な抗菌薬を服用していない限り、LAMP法はほぼ陽性となります。しかし発病して4週間を超えると気道の菌量が減るためLAMP法では検出できないことが多くなります。

②百日咳Ⅰ gMおよびⅠ gA検査
ワクチン接種の影響を受けないので、単血清すなわち1回の採血で診断が可能になります。

百日咳Ⅰ gA抗体は病日約21日、Ⅰ gM抗体は病日約15日をピークに発現し、Ⅰ gA抗体はⅠ gM抗体よりも持続して検出されるとされています。

小児は発病後4週間以内に受診することが多く、成人は発病後4週間を超えてから受診することが多いことから、小児では主にLAMP法、成人では百日咳抗体検査を行い、より正確に診断するためにはこれらを併用することが望ましいとされています。

小児科コラム

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