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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

こどもとスマホその⑨ コミュニケーション能力

子どもとのコミュニケーション不足を感じている親が多くなっています。ある調査によると、7割以上の親が子どもと触れ合う時間が足りないと感じており「一日に子どもと向き合って話をする時間が15分」という親が3割となっています。

コミュニケーション能力とは、相手の表情や声のトーンなどから、その人の気持ちを読み取り、相手の伝えたいことを理解し、自分の考えを自分の言葉で相手に伝える能力です。

子どものコミュニケーション力に、スマホがどのような影響を及ぼしているのでしょうか?

本来であれば家族内で会話ができる環境にも関わらず、スマホでSNSやYouTubeを閲覧したり、スマホアプリやテレビゲームをしている時間が多くなるなど、昔に比べると家族団欒の中、向かい合って話すというコミュニケーションの時間は少なくなっています。また中学生にもなると、友達同士のコミュニケーションもSNSが主体となっていることが多く、子どもたちが会って直接話をする機会は減っており、ネット上のコミュニケーションが一般的になっています。しかもSNSで使用する言葉は、極端に文字数の短いものを使用し、絵文字などを使い感情を表現することも多く、これらは子どものコミュニケーション力不足を招く一因になっているようです。

家庭内でも、友達同士の会話においても、対面では相手の表情、目の動き、動作などから相手の気持ちを理解し、どのような言葉を使えば自分の思いが伝わるかを自然に瞬時に判断しています。これはヒトしか行えない行為であり、子どものこころの発達に欠かせないものと言えます。前述した脳科学者の川島先生は、スマホを使うと「人のこころ」をつかさどる脳の前頭前野が働かなくなることを指摘していますが、人と対面しないコミュニケーションの場でも同様の現象が起こるようです。コロナ禍の中、オンライン会議などが盛んですが、その場に相手がいないのであまり気を使う必要がありません。目の前に相手がいると、相手の気持ちを察知して、時には先回りをして気を使い、その場の空気を読むことを通してコミュニケーションの場を円滑にし、より有意義なものにしようと自然と努力します。この時、前頭前野がフルに働きます。

IT機器はヒトの脳が行うはずであった行為を肩代わりしてくれるわけですが、コミュニケーションにおいても対面のリアルなコミュニケーションの機会が減ると、発達期の子どもたちの前頭前野を使う機会を奪ってしまうことになります。

今や子どもたちにとって、スマホは友達との重要なコミュニケーションツールになっていますが、コミュニケーション力を上げるものでは決してありません。

大人は、時と場合によってデジタルからアナログに思考過程を変えることは可能ですが、子どもでは難しく、スマホの使用方法について家族内でのルール作りをし、再度考えてみましょう。

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