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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子宮頸がんワクチン その②ワクチンの安全性

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は、2013年3月に定期接種となりましたが、 副反応の可能性がマスコミで大々的に報道されて、6月には「積極的推奨の中止」 となり、この状態が今も続いています。

当時、ワクチンの副反応で歩けなくなった、 計算ができない、痙攣するなどの症状を訴える車いすの少女たちの衝撃的な 映像が連日マスコミで報道され記憶に残られている方も多いかと思われます。

その後、これらの多様な症状が果たしてワクチンによるものかどうかの検討、 疫学調査が数多く行われています。代表的なものを挙げてみると

(1)2016年、厚労省研究班による全国疫学調査
HPVワクチン接種歴のない女子でも、HPVワクチン接種歴のあるで報告された症状と 同様の「多様な症状」を呈する女子が一定数存在することが判明し、接種後の 「多様な症状」はHPVワクチン接種後の特有の症状ではないと結論。

(2)2015年、名古屋市で行われた、1994~2000年度生まれの女性(15歳~21歳、 約3万人)に対するアンケート調査で、HPVワクチン接種者と非接種者の24項目 の症状の起こりやすさに有意差はなく、ワクチン接種と「多様な症状」との 因果関係は示されていない。

(3)2018年、海外で行われた26件、7万3千人以上のランダム化比較試験を 解析したレビューで、重篤な有害事象が生じるリスクは、プラセボ郡もしくは HPVワクチン以外のワクチンを接種した対象群と比較して増大しない。

これらの疫学調査から、現在は、HPVワクチン接種と「多様な症状」の因果 関係は否定されています。アイルランドでは、日本と同様に副反応報道に よって接種率が90%から50%まで低下しましたが、様々な機関が連携して 適切な情報発信を行い、現在接種率は回復しています。

HPVワクチンがこれまでのワクチンと異なる点

①筋肉内注射
これまでのワクチンはほとんどが皮下注射ですが、HPVワクチンはこれまで 経験がない筋肉注射です。個人差はありますが、接種時の痛みは皮下注射より 強い方が多くなります。注射部位の一時的な痛み、腫れなどの局所反応は 約80%に生じます。新型コロナウイルスワクチンは、すべて筋注なので 筋肉注射自体に対する不安は以前より軽減されたものと思われます。

②思春期の女児が対象
思春期は、誰しも人間関係や学業などいろいろな悩みがある年代です。 愛知医大痛みセンダーの愛知県内の調査によると、半年以上続く慢性の痛みは 中学2年生12%、高校生の14%程度で見られています。全般的不安障害が2.9~ 4.6%、対人恐怖1%、はっきりと確認できるストレス要因により激しい苦痛、 機能障害がおこる「適応障害」は2~8%、うつ病は中学1年生の4.1%また1日中 憂鬱状態が続き、疲れやすく集中力、地効力、判断力などが低下する「気分 変調障害」は思春期世代で1.6~8%、葛藤やストレスなどによって腕や脚が 麻痺したり、触覚や視覚、聴覚を失ったりする「転換性障害」は0.2%です。 HPVワクチンを接種している、いないにかかわらず、思春期の大変多くの 少年少女たちが体の変調、多彩な症状をきたしています。

万が一ワクチン接種後に、ワクチンとは一般的に結びつかない何らかの症状を訴えた場合も ワクチンきっかけであり、原因ではないと考えられます。

ただしワクチンの副反応と本人や家族が考えられる場合は、診療相談窓口が全国85医療機関 (すべての都道府県、北海道は北大、札医大)に設置されています。

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