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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子宮頸がんワクチン その③効果

オーストラリアのインパクト

先進諸国の中でも2007年から他国に先駆けてHPVワクチン接種に積極的に取り組んできたオーストラリアでは、始めは女児のみを対象に公費による4価ワクチン接種を、さらに2013年からはより効果的に性的接触感染での拡がりを抑え込む目的で男子にも対象を拡大し、現在12〜13歳の男女に定期接種されています(接種率は80%)。加えて2007年からの2年間は13〜26歳女子の無料接種キャンペーンも行われました。その結果、開始前の相対感染率と比較して、開始後の18〜24歳女性におけるHPV6、11、16、18型の感染率は78%、3回の接種終了者では93%と著明に低下しています。興味深いことにワクチンを受けていない女性の感染率も35%と有意に低下しており、これは大多数の人がワクチンを受けたことによる集団免疫効果と考えられています(図)。

この積極的な取り組みにより、オーストラリアは2028年までに、子宮頸がんと診断される女性が10万人当たり4例未満、さらに今世紀半ばには10万人当たり1例未満となり、先進国の中で子宮頸がんを克服する最初の国になりそうです。

小児科コラム

国内の評価

新潟県で行っているNIIGATA STUDYにおいて、20〜22歳のHPV16、18型の感染は、ワクチン被接種者が2.2%(10/459)であるのに比べて、ワクチン接種者では0.2%(3/1379)であり、ワクチン接種者で感染率が有意に低く、ワクチンの有効率は91%と高い感染予防効果があると報告。

宮城県では、子宮頸がん検診を受診した20〜24歳の細胞診異常を比較検討したところ、ワクチン接種者は、非摂取者に比べて細胞診異常率が有意に低く、52.1%のリスク低減効果が認められています。

秋田県でも同様の調査が行われており、ワクチンの有効性は88.1%と報告されています。

松山市における検討でも、ワクチン接種世代(1994〜1996年度生まれ)では、20歳時の子宮頸がん検診において前がん病変の発生率が有意に減少していることが示されています。

海外では、90%以上の子宮頸がんを予防すると推定される9価ワクチンの接種がすでに一般に行われています。日本でのHPVワクチン接種が進まないと状況が続くと、子宮頸がん排除という世界の流れからさらに大きく取り残されることになります。

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