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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子どものくせ③

≪爪かみ、舌・唇なめ≫4、5才頃からですが、主に緊張したときや不安定なときなどにさかんに爪をかんだり、舌や唇をなめる子がいます。

ひどくなると指先の皮がはげて炎症をおこしたり、唇をかんだりさかんになめたりするために唇があれたり唇周囲が変色したりしている場合もあります。このような動作は、ある心の緊張を解きほぐすためのひとつの心因的な反応と考えられています。ストレスの表れだといえますが、病的な意味をもつことはなく、一時的なことでなくなってしまうことが多いようです。

あまり深刻に考えずに、強くしかるようなことはしないで、やさしく注意してあげ、経過をみるだけで自然となくなってしまいます。

活発に遊んでいる時や興味のあることに集中している時は、おさまっているものです。屋外の活動に積極的に参加させるなどして、興味や活動の範囲を広げてあげることも、ひとつの良い手段かと思います。

≪チック≫体の一部を動かすくせのことをさします。
限局した筋肉の収縮から無意味に繰り返される急な動きで、まばたき、顔しかめ、首をふる、肩をすぼめるといった多彩な動きがみられます。

これらの動きの中で、目をパチパチしたり、ギュッと強くつぶるようなことを繰り返すことがもっとも多いようです。

とくに緊張したり、人と話をしたりするときにひどくなります。また舌打ち、鼻・のどをならす、せきこむ、思わず声をだすなど、音を発することもあり、音声チックと言われています。

チックは、幼児期と学童期に多くみられ、小児の10~24%にみられ、けっしてまれなものではありません。大部分は一過性で単純性のチックです。運動チックと音声チックが1年以上続く重症型をトーレット症候群といい、注意欠陥多動障害などの行動異常を伴うことが40~50%にあります。

しかしこのような重症例は1%に過ぎません。チックは本人の意向にかかわらず起こってしまうものですから、やめようと思っても止められません。「やめなさい」と強くしかったりすると逆に悪化してしまうことがあります。

原因はよくわかっていませんが、チックを起こしやすい個性を背景にして、心因的な要素が加わったときに発症するものと考えられています。あまり注意したり、周りから気をかけると、かえって治りが遅くなります。

時の経過とともに、親しい友達ができたり、学校の楽しさを見つけたりして、また家庭をふくめた環境が変わることで気持ちが落ち着いてくれば、自然とよくなってゆきます。子どもの心がリラックスするような時間をつくってあげることが、もっとも大切なことだと思います。

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