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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子どものやせ

母乳不足によるやせ

母乳が不足していないかどうか、母乳を与えているお母さんの最も気になるところです。おっぱいの張り具合や赤ちゃんの飲みの状態などから、母乳が足りているかどうかを判断するのはなかなか難しいようです。

一番の目安となるのは体重です。
体重が順調に増加していれば母乳が不足しているという状態ではありません。母乳不足を心配している場合の多くが母乳不足ではないのですが、明らかに母乳不足によって成長に影響が出ている例があります。

乳児検診のときに体重の増えが悪いことで気づかれます。授乳の仕方などを指導しても改善しない場合、ミルクを足してもらいます。ほとんどが混合栄養とすることで体重は順調に増加してゆきますが、母乳を完全にやめてしまうのではなく、できるだけ少量でも母乳を与え続けるようにすることも大切です。

検診時までに母乳が不足していることを全く気づかずにいる場合もありますが、明らかに母乳不足であることを知っていながら、どうしても「母乳でなければだめだ」という思い込みから成長不良をきたしている例も少なからずみられます。

最近、ますます母乳保育の重要性、利点ばかりがクローズアップされて、誰しもが母乳、母乳と強調し続けています。

すでに、お母さんは母乳栄養の重要性が十分わかっています。できるだけ最後まで母乳で、と思っているわけですが、すべてのお母さんが十分母乳が出るわけではありません。あまり窮屈に考える必要はなく、どうしても母乳が十分でない場合はミルクを授乳のオプションと位置づけ、ミルクを与えましょう。

もちろん安易なミルクの導入は避けなければなりません。しかし母乳栄養に変な強迫観念にも似た思い込みをもつ母親がいる背景には、最初に母乳栄養を強く勧めるだけで、その後の母乳哺育をきめ細やかにサポートしてゆくシステムがまだ十分ではないことにも問題がありそうです。

アトピー性皮膚炎をめぐるやせ

とくに乳幼児、アトピー性皮膚炎で過度な食事制限をうけ、成長障害をきたす例がまれですがみられます。

行き過ぎだと思われる食事制限が医師の指導でされていることもありますが、母親の誤った思い込みで不必要な食物除去をしてしまう場合があります。

一般に1歳までは卵の反応が見られる場合が多く、卵を制限することはよくあります。しかし他の食物での感作の頻度は意外に低く、いろいろな食物の制限をしなくてはいけない例はまれです。

最近はインターネットなどをみても、アトピーに関する情報が氾濫しており、勝手な判断をすることは危険で、アトピービジネスの罠にかかり大変な事態になってしまう例もあります。医療機関で適切な検査、指導をうけることが肝要です。

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