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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

生後6か月以上5歳未満の新型コロナウイルスワクチンについて(11/04)

令和4年11月以降に、生後6か月~5歳未満の小児への新型コロナウイルスワクチン接種が開始されます。これまでの5~17歳の小児におけるワクチンの有益性を考慮したうえで、メリット(発症、重症化予防)がデメリット(副反応等)を上回ると判断、5~11歳と同様に生後6か月~5歳未満のワクチン接種も「接種勧奨」「努力義務」とされました。先日小児科学会がその考え方、知見を示しましたので、以下にその内容を簡単にまとめます。
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感染状況とワクチンについて

  1. 小児患者数の急増に伴い、以前は少数であった重症例と死亡数が増加している。
  2. 小児の呼吸不全例は比較的まれだが、オミクロン株流行以降は小児に特有な疾患であるクループ症候群、熱性けいれんを合併する児が増加し、脳症、心筋炎などの重症例も報告されている。
  3. 生後6か月~5歳未満の小児におけるワクチンの有効性に関して、BA2流行期における発症予防効果は生後6か月~1歳児で75.8%、2~4歳児で71.8%。流行株によって有効性が低下する可能性があるが、重症化予防効果は期待できる。
  4. ワクチンの安全性については、副反応は5~11歳のワクチンと同等もしくは軽微としており、米国における調査でも重篤な有害事象はまれとされている。
  5. 使用されるワクチンは、すべてファイザー社製であり、その含有量はmRNA:3㎍/回。12歳以上で使用されるワクチンの1/10、5~11歳のワクチン3/10の含有量となっている。
  6. 初回接種の回数は5歳以上のワクチンと異なり3回。2回目は3週後、3回目は2回接種後8週後以降。

接種に対する考え方

  1. 子どもを守るためにはまず周囲の大人(とくに子どもに関わる業務従事者)が接種することが大切。
  2. 基礎疾患のある児への接種で、感染の重症化予防が期待される。接種の際は主治医とよく相談する。
  3. 生後6か月以上5歳未満の健康な小児へのワクチン接種を推奨する。ただしメリット(発症予防・重症化予防等)とデメリット(副反応等)を養育者が十分理解することが重要。同調圧力が加わらないような配慮も必要。
  4. 他の年齢に用いるワクチンとは製剤が異なるため取り扱いに注意。接種部位についても乳児は外側広筋(太もも)への接種を推奨。

小児の新型コロナウイルス感染の多く(95%以上)が、軽症で経過します。しかし、2歳未満(0~1歳)と基礎疾患がある小児においては重症化リスクが増大することが危惧されています。子どもを守るため、周囲の人を守るため、接種することを推奨しますが、かかりつけ医とよく相談されて判断されるとよいでしょう。

院長

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