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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

日本脳炎ワクチン その①日本脳炎とは

これまで北海道でのみ行われていなかった日本脳炎ワクチンが、道内でも平成26年4月から定期接種(無料) として開始されることになりました。そこで北海道ではなじみのない日本脳炎について、まずどのような病気 なのか簡単な予備知識を。

蚊が媒介

日本脳炎ウイルスは、1935年日本で初めて同定されたためこの名前で呼ばれていますが、インド、 東、東南アジアなどに広く生息しているウイルスです。主な感染経路は、日本脳炎ウイルスに感染した ブタを刺したコガタアカイエカが、人を刺して感染させます。人から人への感染はありません。6~16日の 潜伏期間をへて、高熱、頭痛などの症状を伴って発症し、続いて光への過敏状態、さらに急激に意識障害 やけいれんなどの中枢神経系障害へと進展します。しかし実際は感染していても発症しない不顕性感染が多く、 脳炎をおこす頻度は100~1000人に1人とされています。予後不良例は1週間以内に死亡することが多く、 致死率は20~40%です。生存例の約半数にマヒなどの後障害を残す重篤な疾患です。特別な治療法はなく、 30年前と比較して死亡例は減少していますが、全治例は3分の1とほぼ変わっておらず、予防がとても 重要な疾患といえます。

発症状況

日本では1960年代まで年間数千人がかかっていました。予防接種の導入、さらにその改良が進み、 1992年以降年間10人未満で推移しています。現在も毎年数人、関東以西(九州、四国、中国)で 患者が出ており、ウイルスは依然として国内に存在しています。とくにインドや東南アジアでは毎年数 万人規模の発生がみられています。

ウイルス抗体価(図)

2005年5月に日本脳炎ワクチン接種後の重症な急性散在性脳脊髄膜炎(ADEM)の症例が大きな問題 となり、より安全なワクチンが開発されるまでの約5年間ワクチン接種がほぼ中止されていました。 このため幼児の抗体保有率が著しく低下していますが、現在は救済の措置が取られています。20歳代までは 比較的高い抗体保有率を維持していますが、その後は低下し、中高年で抗体保有率の低下がみられ、近年は この年齢層から年平均6人の患者が発生しています。60歳以降の方は、日本脳炎ウイルスによく暴露されて いた世代と考えられ抗体保有率は高くなっています。

小児科コラム

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