食物アレルギーを予防するために その①|北見の小児科医・院長が解説|秋山こどもクリニック
 

食物アレルギーを予防するために その①

食物アレルギーを予防するために その①について

アトピー性皮膚炎などの家族歴がある場合、離乳期の赤ちゃんに「卵が原因のことが多いので 卵を与えるのはできるだけ遅らせましょう」という指導が長年行われてきました。しかし 最近の研究で、これは誤りであることがわかってきました。

食物アレルギーの発症はいつから?

まだ母乳、ミルクのみで離乳食が始まっていないにもかかわらず、卵の反応がみられる ケースがあります。赤ちゃんはいつ感作を受けたのでしょう。まずは妊娠中に母体から、 あるいは母乳から感作を受けたのではと考えられます。すると、その時期の感作を防ぐ ために、妊娠中あるいは授乳中の母親にアレルゲンとなるような食物を食べないようにすれば食物 アレルギーを予防することができるのでは?という考えが当然生まれます。これまで そのような観点から多くの臨床試験が行われてきました。その結果は、母乳が卵、牛乳、 ピーナッツなどアレルゲンになりやすい食品を妊娠中、授乳中に摂取しないようにしても、 摂取した母親からの子どもたちと、摂取しなかった母親からの子どもたちの食物アレルギー の発症頻度に差はありませんでした。したがって、現在は妊娠中、授乳中の母親の食事とは 関係がなく、アレルゲンとなる食べ物を摂取しないようにしても、残念ながら感作を防ぐこと はできないと考えられています。

食物アレルギーはどこで?乳児湿疹との関係、アレルゲンが皮膚から入る!

英国の研究から、ピーナッツアレルギーを起こした子どもたちには、乳児期にピーナッツ オイルを塗っていた子どもが多いこと、また乳児期に湿疹やアトピー性皮膚炎を有する 子どもたちはその後、食物アレルギーを高率に発症することが指摘されていました。 最近、皮膚のバリア機能が低下している赤ちゃんは、食物アレルギーへの感作が非常に 高いこと、すなわち健康な皮膚であれば食物アレルゲンから感作を受けることはほとんど ありませんが、皮膚のバリア機能が低下し、そこに炎症があると感作を受けやすくなること が分かってきました。さらに炎症がある部位からアレルゲンが入ると、アレルギーをおこす、 一方、炎症がないところ(経口、経腸管)からアレルゲンが入ると、むしろ免疫を抑える (免疫寛容)方向に進む可能性が指摘されるようになりました。

これは、食物アレルギーの予防策を考えるうえで重要なヒントになりそうです。

小児科コラム
秋山こどもクリニック院長
執筆・監修
秋山こどもクリニック 院長
日本小児科学会認定 小児科専門医
医師の紹介