子どもの気になる病気その⑤ ヒトメタニューモウイルス感染症|北見の小児科医・院長が解説|秋山こどもクリニック
 

子どもの気になる病気その⑤ ヒトメタニューモウイルス感染症

子どもの気になる病気その⑤ ヒトメタニューモウイルス感染症について

RSウイルスはよく聞きますが、ヒトメタニューモウイルス(human metapneumovirus : hMPV)は初めて耳にします、 という方も多いのではないでしょうか。

このウイルスが近年注目されている背景には、インフルエンザ、RSウイルスと同じように、迅速診断キットにて ベッドサイドで簡単に診断できるようになったことがあります。

hMPVは、あらゆる年代層でカゼの原因ウイルスの一つですが、乳幼児や高齢者では重症化し、細気管支炎や肺炎を 起こすことがあります。この点はRSウイルスとよく似ています。一度の感染では十分な免疫が得られないため、 その後も繰り返し感染しますが、免疫がついてくるので症状は軽くなってゆきます。

hMPVは、比較的最近の2001年オランダで発見されたウイルスで、遺伝子的にもRSウイルスに近いウイルスです。 アメリカでは、hMPVによって5歳未満の子ども2万人くらいが毎年入院していると推計されています。小児の呼吸器 感染症の5〜10%、成人では2〜4%がhMPVが原因と考えられています。


症状

hMPV感染症の主な症状は、咳、鼻水、発熱などのいわゆるカゼ症状です。細気管支炎や肺炎で悪化すると、 ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴や息苦しさが加わります。3〜5日の潜伏期を経て、咳は1週間程度、 熱は2〜3日続きます。喘鳴はRSと同様に数週間遷延することがあります。2割くらいに中耳炎の合併がみられます。

hMPVの流行は3月から6月であり、例年RSウイルスの流行の後、hMPVが流行する傾向があります。ちなみに 昨年度(H30年度)の北見日赤病院の小児RSV、hMPV感染症の月別入院件数(紹介例のみ)を図に示しますが、 5〜8月にhMPVの入院が集中しています。

感染経路

くしゃみや咳による飛沫感染、ウイルスが付着した手や鼻、物品、タオルなどを介する接触感染。

診断

迅速診断キット使用(ベッドサイドにて綿棒で鼻汁採取、10分程度で判定)

治療

特別な治療はなく、対症療法が基本です。喘鳴などの症状が強く、水分摂取が困難な場合は、入院加療が必要になります。

予防

手洗い、うがい、マスク着用

RSV hMPV | 小児科コラム | 秋山こどもクリニック
秋山こどもクリニック院長
執筆・監修
秋山こどもクリニック 院長
日本小児科学会認定 小児科専門医
医師の紹介