子宮頸がんワクチン (HPVワクチン:ヒトパピローマウイルスワクチン)① new|北見の小児科医・院長が解説|秋山こどもクリニック
 

子宮頸がんワクチン (HPVワクチン:ヒトパピローマウイルスワクチン)① new

子宮頸がんワクチン (HPVワクチン:ヒトパピローマウイルスワクチン)① 更新

①  子宮頸がんの現状

20代~30歳代女性の中で最も多いがんが子宮頸がんです。発症率は80人に1人、毎年1万人以上が罹患し、約3千人が亡くなっています。発症年齢のピークは30歳代で、出産子育て年齢のピークと重なり、がんのため妊娠できなくなる女性が毎年1200人います。

子宮頸がんの原因のほとんどがHPV感染であり、とくに2つのタイプ(HPV16、18型)によるものが50~70%を占めています。子宮頸がんは年々増加しており、その対策が強く求められていますが、HPV感染を予防するワクチンと20歳以降の定期的な子宮がん検診の組み合わせが最も有効な手段であるとされています。

②  HPVワクチン接種の変遷

2010年、12~16歳の女児を対象に公費助成が始まりました。2013年、4月から定期接種化されますが、ワクチン接種後に歩けなくなった、計算ができない、痙攣がおきた、といった「多様な症状」がクローズアップされ、マスコミはワクチンの副反応として連日のように大々的に報道しました。結果、6月には厚労省は定期接種ワクチンとはしたままで、このワクチン接種を積極的に勧奨することを中止しました。以後、7割以上あった接種率は激減、接種する人は殆どいなくなりました。

その後、ワクチン接種に関連した「多様な症状」に対しての多くの疫学調査(2015名古屋スタデイ、2016厚労省研究班、海外での26件など)が行われ、その結果HPVワクチン接種と若い女性に起こる特有な「多様な症状」との因果関係は否定されました。これらの調査および諸外国の状況から、2021年10月、厚労省はワクチンの「積極的勧奨の再開」をしています。

③  接種対象、方法

対象は小学6年生から高校1年生の女児
現在、使用されているワクチンは、シルガード9(9価:HPV6、11、16、18、31、33、45、52、58型)、皮下注射ではなく筋肉注射となります。

  • 1回目の接種を15歳になるまでに受ける場合:2回(2回目は6ヶ月後)
  • 1回目の接種を15歳になってから受ける場合:3回(2回目は2ヶ月後、3回目は2回目から4ヶ月後)
秋山こどもクリニック院長
執筆・監修
秋山こどもクリニック 院長
日本小児科学会認定 小児科専門医
医師の紹介