子宮頸がんワクチン (HPVワクチン:ヒトパピローマウイルスワクチン)② new|北見の小児科医・院長が解説|秋山こどもクリニック
 

子宮頸がんワクチン (HPVワクチン:ヒトパピローマウイルスワクチン)② new

子宮頸がんワクチン (HPVワクチン:ヒトパピローマウイルスワクチン)② 更新

④  効果

シルガードの接種で90%以上の発症予防効果があるとされています。先進国におけるHPVワクチン接種率は、カナダ86%、オーストラリア80%、イギリス67%、アメリカ63%です。オーストラリアでは、2028年までに子宮頸がんと診断される女性の数が10万人あたり4人未満に減少し、さらに今世紀半ばには10万人あたり1人未満になると予測されています。その結果、先進国の中で最も早く子宮頸がんを克服する国になると見込まれています。

⑤  子宮頸がん制圧のために

HPV感染は非常にありふれた感染であり、こどもにその危険性を強調したり、誤解を招くような情報を伝えたりするべきではありません。一方で、極めて有効な予防方法であるワクチンの危険性を過度に伝えることも、接種への不安や誤解を与え、子宮頸がんを予防する貴重な機会を失わせることにつながります。そのため科学的根拠に基づいた情報をもとに、ワクチンの有効性と安全性について知り、親子でその重要性について理解を深めていくことが大切です。現在分かっていることは、

  • 子宮頸がんは、女性なら誰にでも発症する可能性があるが、その多くはワクチン接種で予防でき、さらに残りのリスクも検診によって防ぐことが可能
  • 将来の子宮頸がんの発症を予防するには、セクシャルデビュー前のワクチン接種がより有効
  • HPVワクチンは、他のワクチンと同様安全性の高いワクチン
  • ワクチン後の「多様な症状」は、不安などに伴うストレスにより生じている可能性が高く(ISRR:予防接種ストレス関連反応)、どのワクチンでも起こりうる

ワクチンを受けるのはこどもたちであり、また受ける権利を持っているのもこどもたちです。一方で、子宮頸がん予防のための正確な情報を伝え、安心して接種できる環境を整え、接種を促すべきは周囲の大人であり、医療従事者はもとより、こどもにとって身近で最も信頼できる大人、つまり家庭や学校関係者の協力が、子宮頸がん制圧のためには不可欠であるといえるでしょう。現在、北見市の子宮頸がんワクチン定期接種の初回実施率は令和7年度上半期で約35.1%となっています(全国平均36.4%)。子どもたちを対象としたワクチンの大切さを理解して頂き、対象となるすべての児童が接種を受けられるようになることが強く望まれます。

秋山こどもクリニック院長
執筆・監修
秋山こどもクリニック 院長
日本小児科学会認定 小児科専門医
医師の紹介